大迫社長

人と人との結びつきが基盤にある、そんな会社を夢見て

 わが社は「ヒューマンマインドが創る豊かな未来」をキャッチフレーズにしています。このヒューマンマインドー1人間性を事業の基盤にしようという思いは、創業当時から今日まで変わるところはありません。
 私は宮崎で最も大きな印刷会社の営業をしていましたが、志を同じくする仲間を5人集めて独立をする決心を固めました。当時は、まだ雇用者と労働者の図式がはっきりしている時代でした。しかし私は、本来経営者と働く者は上下の力関係で結ばれるのではなく、同じ人間として共に尊敬し合い、手を取りあうべきだという理想を抱いていました。それが事業体のあるべき姿であり、そうでなければ良いものを創ることができないと感じていたのです。「宮崎南印刷は家庭的で温かな雰囲気」とよく言われるのですが、その背景にはこういった人間性を貴ぶ精神があるのです。社名に自分の名前を冠しなかった理由もそこにあります。自分個人よりも社会のことを考えるのがヒューマンマインドではないでしょうか。
 独立した当時は、大手から私たちのような零細まで多くの会社が百花練乱し、印刷会社は戦国時代のようでした。そんな状況の中で白紙の状態から一軒一軒顧客開拓をしていくことは、辛くもありましたが楽しくもありました。
 当時はかなりの不景気でしたが、お陰様で創業以来一度も赤字を出さずに今日まで来ています。幸運もあるでしょうが、元々私はポジティブな性格で、願い続けていれば必ず叶うという信念を持っています。人間の思いというものは、強くなればエネルギーとなって実現するのではないでしょうか。私はそれを信じて走り続けてきましたし、今でも社員たちに機会があるごとにそれを語っています。
 

志は高く、姿勢は低く、最大であるより最良であれ

 情熱をもって、しかもヒューマンマインドの精神で、という姿勢が認められたのでしょうか。事業は順調に進み少しずつ余裕もでてきました。
 ところが台頭してきた新興勢力と思われたのでしょうか、社会性や協調を重んじているのとは逆に、同業他社からは脅威の目で見られるようになってきました。もしこの時に周囲を駆逐してナンバー1になろうと思っていたら、傍目を考えずに拡大路線を突き進んでいたでしょう。しかし宮崎南印刷はそんな会社ではありません。「周りを大事にしながら自分も発展していくようにしなければならない」、そう信じて我が道を歩み続けてきました。
 幸いお客様はそのような姿勢を評価してくださったようです。仕事をきっちりとやってくれる、雰囲気のいい会社だという評判をいただくようになりました。志を高く持ちながら、あくまで周囲の役に立つことを一番に考える。この姿勢は創業以来ずっと変わることはありません。わが社の社訓の最初の言葉は「最大であるより最良であれ」。この気持ちを忘れないよう、社員と一緒に私も毎日唱えています。
 

物質至上主義の先にあるヒューマンマインドを追求する

 今は高度な情報化社会であり、その中心付近にいる印刷業界も、当然それに対応した戦略を見据えなければなりません。
 しかし私は、IT関係の環境を整えるにしても、テクニックにのみ頼ることを考えてはいません。それよりもまず、情報の本質とはなにかを見極めることが先決です。情報を吸収するのも人であるし、発信するのも人。宮崎南印刷は人と情報の踊り場であり、ITはそのツールに過ぎません。
 幸い私たちのグループにはパームス企画があります。『月刊パームス』の発行という情報を扱う最前線であると同時に、集めた情報から企画を練り上げるシンクタンクでもあります。そしてそこでもまず問われるのは人、人材ありきということです。情報に踊らず、人に踊ると言いますが、こだわりをもった個性豊かな人材がその能力を発揮してくれれば、小手先のテクニックに溺れる必要はないと考えています。
 そう考えると、これからの時代もやはりヒューマンマインドを基盤にする必要があると考えます。いや、物質至上主義全盛の今だからこそ、より人間性に目を向けなければならないのかもしれません。
 私たちの会社は、社員皆が力を合わせ、お客様や周囲の人たちに育てられながらここまでまいりました。これからは環境への配慮や地域社会への奉仕も含め、ヒューマンマインドの精神をより深め、南国宮崎の一隅にキラリと光る印刷会社と情報を高度に受発しているグループがあるぞと言われるよう、精進していきたい思っています。